雛祭り。 今では、あんまり関係のない行事になってしまったけれど。 幼い頃は、7段か8段もある立派な雛飾りを飾ってもらっていた。 細々とした飾りを、父や母と一緒に並べていくのが楽しくて、 雛祭りが近づくと ウキウキしたものだった。 堂々と和室に飾られた 立派な雛飾りは、 子供心に とても自慢だった。 私はとても可愛がられ、大切に育てられていたのだと、 今になればわかる。 どんな行事も欠かすことなく、 家族に囲まれて 当たり前のように、 賑やかに 祝ってもらえた。 幼い頃の私は、 いつでもあったかい家族の真ん中で、 幸せに笑っていた。 そういうごく普通の幸せが、 どれだけの愛情に支えられていたのか、 今になればわかる。 自分一人生活して 食べていくのがやっとで、 自分の身の回りのことさえ、 忙しさにかまけて 後回しにしてしまっている今だから。 父や母の凄さが 思い知らされる。 家族を守るということ。 今の私と変わらない歳の頃から、 そうやって私を養い、育ててくれた。 きっと 自分のことをたくさん諦めて。 私は、本当に長い間、 そういうことを 当たり前だと思ってしまっていた。 もっと それに感謝したり、 家族をねぎらう思いやりを持てばよかったと、 悔やまれるけれど。 一緒に暮らしている頃は、わからなかった。 今、弟にいくら説教したところで、 きっと わからないだろう。 あの頃の私が わからなかったように。 家族はいつだって 少し面倒だ。 だけどそれが 家族なんだと思う。 面倒かけて、かけられて。 それでも変わらずにそこにあるもの。 でも、当たり前に ただそこにあるんじゃない。 家族が平和なのは、 誰かが 頑張ってくれているからだ。 誰かが 我慢しているのかもしれない。 家族の誰かが。 あるいは、みんなが。 いつでもあったかくて変わらない存在に思えて、 実はそういう微妙なバランスで 成り立っているんだろう。 揺るぎない関係に思えるからこそ、 安心しきって ついつい甘えてしまうのかもしれない。 だから、たくさん話さないといけないね。 誰が何を考えているか、 話さなきゃいけないし、知ろうとしなきゃいけない。 きっと、そうなんだと思う。
by minicat_orange
| 2008-03-03 22:28
| ☆にっき
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